技術系国家一般職の勉強方法
2024年度の国家一般職試験(農学)に独学で席次20番くらいで合格したので、勉強方法について記録しておこうと思います。独学で公務員試験に臨む方の助けになれば幸いです。
技術区分の一部は定員割れしているみたいで、将来の同僚がいなくならないために書いておきます。笑
今後理系で国家公務員になろうとしている方の助けになればと思います。
目次
・国家公務員を目指したきっかけ
・理系区分のボーダーと総勉強時間について
・参考書や勉強方法
・農学区分の就職先(官庁訪問候補)
・いわゆるスカウト電話について
・国家公務員を目指したきっかけ
まずは国家公務員試験を受ける経緯について、簡単に。
理由はシンプルで、大学院を中退して新卒カードを捨ててしまったためです笑
研究室のキツさに耐えきれず、お金もなく、研究自体もあまり楽しくない等、いろいろな理由が重なり、大学院をやめてしまいました。心療内科に通いながら就活どうしようかなあとずっと考えていていろいろな就職先を考えましたが、せっかく国立大の良いところにわざわざ行ったのだから、大卒しかなれない仕事にしたいと考えていました。何よりプライドが高いので、院の同期が就職していったような大企業に負けたくないなと言う気持ちが強くありました。
そこで30歳まで受験できる公務員試験であれば、面接での経歴のハンデもあまり気にならないのではないかと考え、また座学は得意な自覚があったため勉強を始めることにしました。
※地方自治体によっては27歳まで等若干の違いがありますが、国家系の大卒は30歳まで受験できます。
・理系区分のボーダーと総勉強時間について
さて、受験生の方が一番気になるのは「公務員試験って難易度どれくらいなんだろう?」というあたりだと思います。
行政職はわかりませんが、理系国家公務員のボーダーははっきり言ってザルです。
専門試験が40問出題されますが、足切りラインが30%の12点です。
受験者が定員割れしている区分はこの足切りラインさえクリアしていればよく、そのほかの区分も概ね似たような状況です。
とはいえ、筆記試験だけでも、専門試験・教養試験・論述問題すべてで足切りラインの30%をクリアしなければならず、二次の面接試験で低い評価をとった際の保険として、5割くらい取れるようしておくことをお勧めいたします。
総勉強時間についてですが、行政職を受験される方は1000~1500時間の方が多いらしいです。一日3時間の勉強を継続すればだいたい1年くらいですね。一方理系はもっと少なくてもよく、個人的には500~750時間くらいあれば十分受かるのだと思います。席次一桁を目指したい人や座学に自信がない方は1000時間を目安に勉強すれば、大丈夫でしょう。私は国家一般が第一志望だったため、1000時間くらいやりました。中退していてアルバイトくらいしかやることがなかったので、1日5~8時間を半年くらい続けました。そのおかげもあって、教養7割・専門8割・論述満点でした。
・参考書や勉強方法
国家一般の試験は、過去問と同じような問題がいくつも出題されます。ですので基本的には過去問を2~3週することに重点を置いたほうが良いです。私の勉強方法は以下の通りです。
➀スー過去を1周やりきる
➁足りない知識について教科書を読んで暗記
➂過去問をひたすらやる
➃統計や白書を読む
➀まずは、1にも2にもスー過去です。過去問が丁寧な解説付きで掲載されている問題集なので、非常に勉強になります。
専門は初めは何を書いてあるのか全く分からないと思いますが、そんなもんだと思います。ノートに解答ほぼ丸写しでもよいので、とにかく暗記して頭に知識を試験問題そのまま入れていくことが重要です。教養試験はそこまでしなくても大丈夫だと思いますが、専門は本当に丸暗記する覚悟で臨んでください。ここが一番きついですが、一番配点が高いので力を入れるところです。
➁スー過去だけでは足りない部分については、教科書を読んでノートにまとめてまとめることをおすすめします。農学で言えば、特に配点の高い作物学・園芸学はきちんと教科書を読んで勉強するほうがよいです。
https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54011110/
https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54011105/
農文協が出しているこのあたりがおすすめです。
配点の高いこれら二つをしっかりやっておけば、足切りラインは余裕でクリアできると思います。
どういった分野が出題されるかとその配点については人事院のこちらのサイトに明記されています。
https://www.jinji.go.jp/content/900036111.pdf
➂ここまでやれば、最初にスー過去をやったころよりはるかに問題が解けるようになっていると思います。
あとは人事院に過去問を請求し、それをひたすら解きます。申請から実際に届くまで2週間~1カ月はかかるので、早めの申請と、一気に10年分以上請求することをおすすめします。
しかし、人事院はなぜ令和の世の中になってもCDROMで問題を郵送するんでしょう…笑
➃これは論述試験対策です。
農学区分の方は農水省の白書や統計を読み、知識や今の農政の方針を頭に入れておいてください。可能であれば大きな政策についての実行案を自分で考えてみるのも良いと思います。その上で過去問の論述問題をやってみてください。
論述の配点は低いですが、対策するのとしないのでは全く違います。それに論述で足切りを食らうのが一番イヤですよね。
量がかなりあるので、特集の部分だけでも良いです。特集のものからよく本番のお題が出題されています。
・農学区分の就職先(官庁訪問候補)
一次試験に合格することができたら、次に官庁訪問と呼ばれる、省庁ごとの面接を受けに行きます。
農学区分では
・環境省
・国交省(地方整備局や運輸局)
・気象庁、気象台
あたりが面接先になることが多いです。
このへんを中心に、他にもいろいろな面接先があるので、説明会に多く顔を出すことをおすすめします(これは後に解説するスカウト電話にも関係しています)。
いくつか官庁訪問に行き、内定を獲得した後、2次試験の人事院面接に合格する必要があります。
・いわゆるスカウト電話について
官庁訪問での面接で内々定をもらえずとも、2次試験の人事院面接まできちんと受けて国家一般職試験に合格していれば就職だけはなんとかなります。先にも述べたように、一般職の技術系区分は一部で定員割れするほど人手不足です。そのため人出不足であったり不人気の官庁からは試験の合格発表後にスカウトの電話がかかってきます。実際に私も7つの官庁からスカウトの電話をいただきました。
スカウト電話は、試験の席次や説明会の参加状況などを参考にして順次かけていくみたいです。ですので、興味がない官庁でも説明会に顔を出し名前を登録しておくことで、面接全落ちでNNTになることは回避できると思います。
最後に
公務員試験は、民間企業よりも結果が出る時期が遅く、つらい丸暗記の勉強にも耐えねばならないため、精神的に頑張る必要があります。ですがそれに耐えることができれば、冒険することなく、大企業の倍率100倍以上のような面接を通過する必要もなく、手堅い安定した職が得られます。面接が苦手なコミュ力弱者にこそ、受けてほしいと思います。
人事院勧告が先日あり、国家一般職の初任給が22万まで賃上げされました。地域手当を含めると本府省では27万、その他大阪市や名古屋市でも24~25万円はあります。何十社もエントリーして、大企業の厳しい選考を勝ち抜いていくことが嫌な就活生は、国家公務員を目指してはいかがでしょうか。時間と労力はかかりますがかなりの確率で良い待遇の就職ができます。
理系であれば、国家公務員試験や地方公務員試験についてもう少し詳しくお教えできますので、よければコメントでも質問でもなんでも書き込んでみてください。お待ちしています。
それでは、公務員受験生の皆様、応援しております。